HERO病

例えば誰か1人の命と 引き換えに世界を救えるとして,
僕は,
おそらく多くの人が死ぬ役に立候補するだろうから,
なんとなく一緒になって手を挙げて,
世界を救うHERO決定じゃんけん大会を開催したら,意外と勝ち残って,
残り15人ぐらいになったぐらいのところで負けて,
「やっぱり生きているほうがいいよな」とかいう安堵と,
「でも,世界を救って死ねるなんてちょっといいなぁ」という羨望を
同時に感じるような,生やさしい毎日に刺激をほしがって,
精一杯の冒険している臆病な
だけの男だ.


日本は一年で自殺者が 32.000 人ぐらいらしいけど,
実際に毎年「1人の命と引き換えに世界を救う」イベントがあったら,
自殺率は減るんじゃないかな,と思う.
当選すれば確実に自分の生きた証ってのを残せるわけだし.
とか考えるのは,やっぱり俺が大して追い詰められてないせいなんだろうなぁ.