僕のアパートは、表通りからちょっと奥に行ったところにあるので、街頭が少なくて夜が暗い。
おまけに鬱蒼とした謎の保護林があったりして、けっこう静かだ。
で昨夜、家の近所を散歩していたら、僕の前を歩いていた人がこっちを確認したりそわそわしていた。
なんだかよくわからないまま歩いていたら、その人は走ってどこかに行ってしまった。
そこで、どうも痴漢とかに間違えられたっぽいと気が付いた。
うわ、俺ってそんなに変態ちっくなのか、とちょっとショックだったんで、
こんな無害な子いないよ、と呟いてみた。
で、なんか申し訳なくなって特に用もなくコンビニに引き返して時間をつぶした。
まあ女の子が夜道を警戒するのは当然といえば当然で別に俺が危なく見えたわけではないさ、
そうさ暗闇を後ろから人が歩いてきたら怖いよなぁ、
きっと警戒心が強い人だったんだ、
と自分に言い聞かせて心の平衡を保った。
でもやっぱりどこか釈然としないので、
今度誰かが後ろを歩いていたら、俺も逃げてみようと思う。
前を歩いている人がいたら、ダッシュで追い越してソワソワしてから逃げてみる。
でもダッシュした時点で悲鳴を上げられるかもしれないから、注意してこっそりダッシュしよう。